音楽:ラフマニノフ 「パガニーニの主題による狂詩曲」より 第18変奏
Sergey Rachmaninov, 18th Variation from Rhapsody On A Theme Of Paganini, op.43.

絵画:ルイ・イカール 「待ちわびる想い」
Louis Icart, Fretful Heart, 1912.

Shizuka ARAKAWA
2005 Short Program
Qing PANG and Jian TONG
2005-06 Short Program



 ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」は、荒川静香さん2005年のショート・プログラム(SP)の曲です。2005年のグランプリ・シリーズでは思うように成績が伸びませんでしたが(中国大会3位、フランス大会3位)、レベルをあげるように研究され、全日本選手権では、このSPでトップになりました(最終的には3位)。
 トリノ・オリンピックのでのSPは、ショパンの幻想即興曲に変更となりましたが、オリンピックのエキシビションのアンコールで、この曲ですべってくれました。を変えられるというお話もありますが、全日本選手権では、このSPでトップになりました。

 そしてこの曲は、中国のペア、チン・パン&ジャン・トンの、2005-2006年のSPの曲でもあります。トリノ・オリンピックで4位、世界選手権1位という素晴らしい成績を残しました。
 またトリノ・オリンピックのペアで優勝を飾ったロシアのタチアナ・トトミアニナ&マキシム・マリニンも、2003−2004年のSPに使用しています。

 「パガニーニの主題による狂詩曲」は、パガニーニのカプリース第24番を短い序奏を伴った24の変奏曲にしたものです。
 荒川さんのSPは、序奏から第2変奏、そしてこの曲の中でもっとも美しい第18変奏、それに第24変奏をアレンジしています。


 「パガニーニの主題による狂詩曲」の第18変奏は、アイスダンスのデュブレイユ&ローゾン組がテーマ曲を使用した映画『ある日どこかで』の中で使われて有名な曲です。

 もうこの世にいない古い女優エリーズに心を奪われてしまった主人公リチャード。
 エリーズの秘書だった女性に彼女の遺品を見せてもらっているうちに、彼女が特別に作らせたオルゴールを聞き、流れた音楽に驚きます。
 それは彼の一番好きな曲、「パガニーニの主題による狂詩曲」だったのです。

「私のところへ戻ってきて」

 8年前に1人の老婦人が自分に言った言葉。
 自分は、過去の世界に行って彼女と会っているのではないかと、この曲によって、リチャードは思うのです。