音楽:「ロード・オブ・ザ・リング」 メドレー
"The Lord of the Rings" Medley

絵画:Edmund Blair-Leighton, The Accolade, 1901.

Todd Eldredge
2001-2002 Long Program



 1996年世界選手権優勝、1998年長野オリンピック4位の、アメリカのトッド・エルドリッジ選手。
 すべりがとても美しい選手でした。ハンサムでスタイルも良い、好青年。ただ他選手に比べると、少し地味な気がしましたが、誤魔化すことのない、基本に忠実でお手本のように、素晴らしい演技をしました。
 1989年、18歳で全米チャンピオンになえう素晴らしい実力の持ち主でしたが、その後、たいへんな困難が彼を待ち受けていました。
 まず怪我でなかなか試合に出ることができなかったこと。本来なら出られるはずだった、94年のレレハンメル・オリンピックには出られず、数年を経て復帰。1995年に世界選手権2位、96年優勝と、ようやく日の目を見ました。

 そして待ちに待った98年長野オリンピック。
 ショート・プログラムの時点で3位。あと一歩でメダルというところでしたが、フリーでの転倒などのミスで、メダルを逃し、4位となりました。
 
 そして4年後の2002年、地元アメリカで行われた、ソルトレイク・オリンピックに、彼は出場します。
 この時、エルドリッジは30歳になっていました。
 その時のフリーに使われた曲が、映画音楽「ロード・オブ・ザ・リング」でした。
 ジャンプのミスはありましたが、今までで、一番感動的で美しく、この人にはこんなにも素晴らしい表現力があったのだと感動しました。すべりの美しさは変わらず、手の動きも美しく、音楽にも合っていました。
 そして、最後のオリンピックで、彼は6位入賞を果たしました。
 オリンピックでメダルとは縁がありませんでしたが、ソルトレイクでの感動的な演技は、忘れることができません。