音楽:「ロミオとジュリエット」
Romeo and Juliet

絵画:ルイ・イカール 「愛しい鳩」
Louis Icart, Wounded Dove, 1929.

2005-2006
( Sasha Cohen, Tatiana Totmianina and Maxim Marinin, Takeshi Honda, etc.)




ROMEO
Beauty too rich for use, for earth too dear!
So shows a snowy dove trooping with crows,
As yonder lady o'er her fellows shows.

          (Romeo and Juliet, Act 1. Scene 5. by William Shakespeare)

ロミオ
あの美しさはもったいなくて手も触れられぬ、
立派過ぎてこの世のものとも思えぬ!
まるで烏(からす)の群れの真ん中におりた純白な鳩だ。
仲間の女達にまじっているあの女性(ひと)の姿は。
         (ウィリアム・シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 第1幕第5場)



 映画音楽「ロミオとジュリエット」は、2005-2006年のシーズン、女子シングルでアメリカのサーシャ・コーエン、ペアでロシアのタチアナ・トトミアニナ&マキシム・マリニン組のフリー・スケーティング(FS)、そして今期で引退する本田武史君のショートプログラムの曲です。

 サーシャ・コーエンは怪我のため、2005年のグランプリ・シリーズはフランス大会のみに出場し、浅田真央ちゃんに続いて2位になりました。そして翌年オリンピック直前の全米選手権では199.18という脅威の点数で優勝しました。
 可憐で愛くるしく、柔らかなバレエ的な演技は、とても惹かれます。

 そしてトトミアニナ&マリニン組。
 2005年12月に日本で行われたグランプリ・ファイナルで優勝し、トリノ・オリンピックで一番金メダルに近いペアです。
 このグランプリ・ファイナルで、初めてこの二人を生で見ましたが、テレビで見るよりも、はるかに格好よくて驚きました。
 特に男性のマリニン。
 すらっと長身で、彫りが深く、双眼鏡でじっくり観察したところ(笑)、ちょっぴりオーランド・ブルームに似ているような気がしました。
 ロミオの演技もとても優雅で、そこはかとなく漂う色気。
 ボリショイ・バレエ団のプリンシパルで、背が高く優雅なアンドレイ・ウヴァーロフを思い出しました。
 このペアは、可憐なコーエンとは違い、やや大人っぽいロミジュリです。あまりに素敵だったので、FSではスタンディングオベーションしました。
 グランプリ・シリーズはフランス大会とロシア大会に出て、いずれも優勝しています。