音楽:ミンクス バレエ音楽『ドン・キホーテ』 グラン・パ・ド・ドゥより 「アダージョ」
Ludwig Minkus, Grand Pas de Deux, Adagio (Don Quixote).
絵画:エドガー・ドガ 「スター」
Edgar Degas, The Star, 1878.
Yukari NAKANO
2005-2006 Long Program
2005-2006シーズン、日本の選手でもっとも飛躍した選手、中野友加里さんのFSの曲、バレエ音楽『ドン・キホーテ』から、グラン・パ・ド・ドゥのアダージョです。
パ・ド・ドゥとは男女2人組による踊りのことで、2人で踊るアダージョ〜男性ヴァリエーション〜女性ヴァリエーション〜2人で踊るコーダという順に踊られます。
『ドン・キホーテ』のパ・ド・ドゥは、32回転のフェッテなど、難技や見せ場が多く、コンクールなどでも人気の演目です。
グランプリ・ファイナルで、中野さんの『ドン・キホーテ』を見ることができましたが、精一杯、今自分が持っている力を出し切っている真摯な演技に、とても好感が持てました。承認されず、とても残念でしたが、この試合でトリプル・アクセルも跳んでくれました。
SPの「ムーラン・ルージュ」もとても素晴らしかったのに、なかなか点数がのびなくてブーイングが起こっていましたが、このフリーで3位にあがり、表彰台に登りました。
2005-2006シーズン、中野さんはグランプリシリーズ、カナダ大会3位、NHK杯優勝、グランプリ・ファイナル3位、全日本選手権5位、世界選手権5位と、本当に大活躍でした。
演技に対する真面目さや研究など、これからもっともっと伸びていくし、評価されてほしい選手です。
またこの『ドン・キホーテ』は、本田武史選手の2000-2001年のショート・プログラムの曲で、2002年のソルトレイク・オリンピックSPも「ドン・キホーテ」でした。四回転を決めたノーミス演技で、SPではアレクセイ・ヤグディンに次いで2位となりました(総合4位)。
そして『ドン・キホーテ』がとても似合っていると思ったのは、2000-2001シーズンのイリーナ・スルtカヤのフリーです。
明るく溌剌としていて、同時に可愛らしくて、大輪の花のようでした。バレエで、この『ドン・キホーテ』のもっとも素晴らしい踊り手だと思っている、ボリショイ・バレエのプリマ・バレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリを思い出しました。
最後にもう1つ、とても愛おしい『ドン・キホーテ』。
それは1996年、ジュニア時代のエフゲニー・プルシェンコのフリーです。
13、4歳頃だと思うのですが、今は細面の彼が丸ポチャの顔をしていて、手足は長いけれどまだ小さくて、でもキッとして目で三回転を決め、三回もビールマン・スピンをしていました。
かわいくて、かわいくて、映像を見ながらキャーキャーとミーハーしました。
今が顔の細いモディリアーニの絵画なら、この頃はルノワールの描く、薔薇色のふっくらした頬の子どものようでした。
私が初めて彼を見た15歳の頃も、やはりこのようなキッとして目で四回転に挑戦していました。その時は2回挑戦した四回転はすべて失敗で、とても悔しそうでしたが。
私が心惹かれた眼差しの少年は、間違いなく天才でした。1年後の16歳、彼は4-3の連続ジャンプを跳びました。
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バレエ 『ドン・キホーテ』よりパ・ド・ドゥのMIDIをお楽しみください
Don Quixote, Grand Pas de Deux [MIDI]
Adagio
Basil's variation
Kitri's Variation
Coda
MIDI提供:Vivace様
ルイ・イカール 「ポアント」
Louis Icart, The Lovers, On Point, 1933.
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