音楽:ロドリーゴ 「アランフェス協奏曲」 第2楽章
Joaquin Rodrigo, Concierto de Aranjuez, 2nd Mvt.

絵画:Augustus Mulready, A Recess on a London Bridge (detail).

Takeshi HONDA
2000-2002 Long Program



 「アランフェス協奏曲」は、本田武史選手の代表作品です。2002年のソルトレイク・オリンピックもこの曲ですべり、4位となりました。
 このオリンピックは、1位はアレクセイ・ヤグディン、2位がエフゲニー・プルシェンコ、そして3位が地元のアメリカのティモシー・ゲーブルで、よくここまでの成績を残すことができたと、感激します。

 戦場に、ただ1人残された男が、大切な人を捜し求めるというテーマで、全身で哀しみと、強さを表現していたと思います。
 本田選手は、ジャンプが高く綺麗で、なおかつ、このFSは、表現力がとても素晴らしかったと思います。

 このオリンピックの後の、2002年の世界選手権で銅メダル、また翌年の2003年の世界選手権でも銅メダルと、素晴らしい成績を残し、2006年の全日本選手権の後、引退しました。
 その全日本選手権後の、「メダリスト・オン・アイス」で、本田選手は、この思い出のアランフェスを、ボーカル入りで披露しました。



ジョン・シンガー・サージェント 「スペイン、アランフェスの大理石の噴水」
Francesco Battaglioli, John Singer Sargent, 1912.



 「アランフェス協奏曲」は、スペインの盲目の作曲家ホアキン・ロドリーゴが作曲したクラシック・ギター協奏曲で、彼の代表曲でもあります。1939年に作曲され、1940年12月11日にマドリードで初演されました。
 タイトルとなっているアランフェスは土地の名前で、マドリードから南へ47kmはど行ったところにある古都です。豊かな緑のあるこの土地には、古くから離宮や庭園が作られました。
 ロドリーゴは、このアrンフェス協奏曲に、スペインの宮廷画家ゴヤの影、それから貴族的なものと民衆的なものが溶け合った18世紀スペインの宮廷の姿を表現しようとしたそうです。

 この曲が作曲された当時、スペインでは内戦(1936年7月〜1939年3月)がありました。アランフェスも被害を被り、終戦の1939年に作られたこの曲は、スペインとアランフェスの平和への想いを込めて作曲したとも言われています。
 この協奏曲の第2楽章はとても有名で、「恋のアランフェス」と名付けられ、ポップスやジャズなど、様々な形で演奏されています。

恋のアランフェス(Aranjuez Mon Amour)



フランチェスコ・バッタリオーリ 「アランフェス宮殿の眺望」
Francesco Battaglioli, View of the Palace of Aranjuez, 1756.