音楽:「花はどこへ行った」 Where Have All The Flowers Gone?
絵画:ルイ・イカール 「平和な時間」 Louis Icart, Peacefull Time, 1920.
KATARINA WITT
Season 1993/1994 Long program
「花はどこへ行った」は、アメリカのフォーク・シンガー、ピート・シーガーの代表作で、ベトナム反戦運動の中で広く歌われた歌でした。
この歌を、1994年リレハンメル・オリンピックで、プロからアマチュアに復帰した、カタリーナ・ヴィットが、ロング・プログラムで使用しました。
84年のサラエボと88年のカルガリーの、二つのオリンピックの金メダリストであるヴィット。かつて自分が金メダルを取った地、サラエボが戦火にあり、反戦の想いを込めてすべったのです。感動的で、赤のベルベットの衣装に身を包み、祈るように手を組み、訴えるように腕を上に差し出す、素晴らしい作品でした。
素晴らしい表現力の持ち主ながら、もともとジャンプは得意ではなく、今回は果敢に三回転ジャンプに挑戦したもののうまくいかず、結果は7位でしたが、何も言わなくとも言葉が伝わってくる演技と、圧倒的な存在感に心を奪われました。
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