音楽:アルビノーニ 「アルビノーニのアダージョ」 Tomaso Albinoni, Adagio in G-, for violin, strings, and organ.
絵画:ルイ・イカール 「ジャンヌ・ダルク」
Louis Icart, Jeanne d'Arc, 1929.
( Rena Inoue and John Baldwin )
「アルビノーニのアダージョ」は、2005-2006年の、アメリカのペア、井上怜奈&ジョン・ボールドウィン組のショートプログラムお曲です。
井上&ボールドウィン組は、2004年と2006年の全米選手権で優勝、2006年の四大陸選手権でも優勝し、トリノ・オリンピックウでは7位と入賞を果たしました。
トリノ・オリンピックのSPでは、オリンピック史上初の、スロー・ジャンプのトリプル・アクセルを決め、感動で胸が熱くなりました。
自分たちの演技に心から満足できた二人が、終わってから抱き合っている姿は、ずっと見ていたいと深く感激しました。 スタンディング・オベーションも起こり、とても嬉しかったです。
この時点で6位。フリーでは残念ながら、このスロー・トリプル・アクセルが決まらず、順位を一つ下げ7位となってしまいましたが、SPで見せてくれた感動的な演技は、私の中の、トリノ・オリンピックでの名シーンの一つとなりました。
フリーはショスタコーヴィッチの曲を、交響曲第5番「革命」の第4楽章など何曲かを組み合わせてをいました。
井上怜奈さんは、演技をしている時はとても大きく見えますが、身長は149cmと、とても小柄な方です。
伊藤みどりさんが銀メダルを獲得した1992年のアルベールビル・オリンピックでは、ペアで出場し14位。94年のリレハンメル・オリンピックには女子シングルで出場し18位でした。この時17歳。その後アメリカに渡り、2001年にジョン・ボールドウィン氏とペアを組み、トリノ・オリンピックに出場するために、2005年9月にアメリカ国籍を取得しました。
98年、20歳の時にお父さんを肺がんでなくされ、翌年は彼女自身がお父さんと同じ肺がんとなってしまい、初期段階であったため、腫瘍は消えましたが、休養をせざるを得なくなりました。そんな時にボールドウィン氏に、自分とペアを組んでくれるよう申し込まれ、ペアを結成したのです。
組んだばかりの2001年の全米選手権では11位。
オリンピック出場を決めた2006年の全米選手権で、SPは4位、フリーで、スロー・トリプル・アクセルを決めての逆転優勝でした。
オリンピックでメダルこそはなりませんでしたが、素晴らしい演技を見ることができて、とても幸せでした。
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