音楽:リムスキー=コルサコフ 『シェヘラザード』より 「若い王子と王女」
Nicolay Rimsky-Korsakov, Young Prince and the Young Princess from"Scheherazade".

絵画:ロナルド・バルフォア 「ルバイヤート」
Ronald Balfour, Rubáiyát.

Miki Ando
2006-2007 Short Program

Midori Ito
1989-1990 Long Program

Michelle Kwan
2001-2002 Long Program


 リムスキー=コルサコフの『シェヘラザード』は、伊藤みどりさんが、1989-1990年に、フリーでで使用しています。
 前シーズンの1989年の世界選手権で優勝、二連覇のかかった1990年の世界選手権では、コンパルソリー(規定)で10位と出遅れてしまい、ショート・プログラムとフリーで追い上げましたが、惜しくも2位となりました。
 伊藤さんのプログラムでは「シェヘラザード」をベストにあげられる方も多く、またこの曲を聞くと伊藤さんを思い出すという方もいます。
 遅ればせながら伊藤さんの90年世界選手権の映像を見て、その素晴らしさに驚きました。トリプル・アクセルを含めたジャンプの一つ一つが高く、美しく、着地がとても綺麗で魅了されました。技術点では9人のジャッジのうち3人が、6.0の満点をつけ、他のジャッジはすべて5.9をつけていました。このページでは、プログラムの中間部に流れる「若い王子と王女」を流していますが、トリプル・アクセルを跳ばれる前半部では、「海とシンドバッドの船」を使われています。
 衣装も素敵で、黒に金と銀のスパンコールを散りばめていました。

 またこの曲は2002年のソルトレイク・オリンピックで、ミシェル・クワンがフリーで使用した曲でもあります。
 衣装は伊藤みどりさんとは対照的に、飾り気のない赤の衣装でした。清楚な雰囲気の彼女の個性を生かした、とても素敵な衣装だと思います。
 東洋的なしっとりとした音楽がクワンにとても合っていて、素晴らしいプログラムでした。
 オリンピックではジャンプのミスがあり3位(優勝は同じアメリカのサラ・ヒューズ)。オリンピックに合わせた素晴らしいプログラムだっただけに、惜しくてなりません。
 同年の世界選手権ではノーミスの演技で2位でした(1位はソルトレイク五輪銀メダリスト、イリーナ・スルツカヤ)。オリンピックというプレッシャーがなかっただけに、この時の演技が最高だったと思います。

 そして、2006-2007シーズンが始まり、2006年10月15日に、日米で男女シングルの選手が対戦したキャンベルズ・カップで、安藤美姫選手の新SP「シェヘラザード」を見ました。
 素晴らしく、格好よく、美しいプログラムでした。
 体が驚くほど絞られていて、落ち着いたメイクに、長い手足を引き立てる華やかな青の衣装、宝石のように美しいと思いました。
 ニコライ・モロゾフの振付も素晴らしく、特に後半のステップとスピンが素晴らしいと思いました。「剣の舞」的な速さ力強さがあって、きりっとした表情と動きの中に、さりげなくコケティッシュさが漂い、これは彼女の代表作の一つになる美しいプログラムだと思います。



エロール・ル・カイン アラビアのお姫さま『アラジンと魔法のランプ』(習作)
Errol Le Cain, .Study For "Aladdin and the Wonderful Lamp".