音楽:ガーシュイン 「ラプソディ・イン・ブルー」
George Gershwin, Rhapsody in Blue.

絵画:ルイ・イカール 「ミミ・パンソン」
Louis Icart, Mimi Pinson, 1927.

( Ilia Kulik )


 ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」は、長野オリンピック、男子・シングルの金メダリスト、イリヤ・クーリックのフリーの曲でした。
 この曲にのって、長野オリンピックで、彼だけが四回転ジャンプを成功させました。
 ミュージカル風のお洒落な内容で、演技始まって直後の四回転の後は、困ったなという感じで肩をすくめたり、表情豊かにすべってくれ、それに見とれているうちに、今度はトリプル・アクセル。すごくかっこよかったです。と同時に、大好きな彼が完璧な演技で滑ってくれて、本当にほっとしました。

 『太陽と月に背いて』の頃のレオナルド・ディカプリオに少し似たクーリックは、演技もバレエ要素があって、丁寧で美しく、大好きでした。
 授賞式の時には、金メダルにそっとキスして(かじらない所が美少年らしい)、金メダルになりたい!と思いました。
 オリンピックが終わったばかりのアイスショー『メダリスト・オン・アイス』を見に行きましたが、ものすごい人気で、リンクいっぱいの花束を貰っていました。
 彼の前に滑ったフィリップ・キャンデローロももまた人気者で(彼もすごく好きでした)、リンクに投げられた花束がなかなか片付かず、クーリックも少しだけ花束を片付けるお手伝いをしたのが、かわいかったです。

 「ラプソディ・イン・ブルー」なのに、フリーの衣装はキリンのような黄色に黒の水玉、なぜこの曲にこの色を選んだんですか?とインタビューでつっこまれていましたが、曲と衣装は関係ないとクールに答えていました。
 当時18歳、長野以降ももっと見ていられると思ったのに、引退してしまったのが残念でした。
 大好きだったのに…。