音楽:秋によせて
Otonal

絵画:ジェームズ・ティソ 「手紙」 1876-1878.年
James Tissot, The Letter, 1876-1878.

Fumie Suguri
2008-2009 Long Program

Maria Butyrskaya
1997-98, 1998-99, Long Program




 「秋によせて」は村主選手の2008-2009シーズンのフリースケーティングの曲です。コーチをアレクサンドル・ズーリンからニコライ・モロゾフに変更し、振付も彼が担当しました。
 村主選手にはしっとりとした美しい優雅な曲が似合うと思っていたので、この「秋によせて」はトリノ五輪以降のプログラムの中でもっとも好きです。
 トリノ五輪以降、ルールが変わったこともあり、全日本選手権では表彰台を逃していましたが、2009年の全日本選手権ではみごと2位と復活、FSだけでは1位となりました。

 またもう一人「秋によせて」で真っ先に思い出す選手がいます。1999年世界選手権、女子シングル優勝の、ロシアのマリア・ブッテルスカヤ(ブチルスカヤ)選手です。
 彼女が世界チャンピオンになったのは、26歳の時でした。フィギュアスケート女子シングル最年長のチャンピオンです。長野オリンピック4位、ソルトレイク・オリンピック6位と、オリンピックでは、メダルこそ手が届きませんでしたが、常に上位にいる、素晴らしい選手でした。
 金髪で細く、手足の長い、ポーカー・フエイスな(でも時々ニッコリ)クール・ビューティで、バレエ的な柔らかさと、凛とした雰囲気を併せ持っていました。NHK杯にも何度も来てくれ、日本でも人気の高い選手でした。
「秋によせて」は、1997-98、1998-99の2シーズンのフリーに使用しています。4位となった長野オリンピック、優勝した世界選手権、どちらもこの曲でした。
 長野オリンピックまではセミロングの髪をひっつめていましたが、世界チャンピオンとなる、翌1998-1999シーズンは、髪を切って、とても垢抜けてびっくりしました。


ウィンスロウ・ホーマー 「イニシャル」 1864年
Winslow Homer, The Initials, 1864.