音楽:アドルフ・アダン バレエ音楽『ジゼル』より 序曲
Adolphe-Charles Adam, Overture to 'Giselle'.

絵画:ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「花輪を編む若い娘」 1866-70年
Jean-Baptiste-Camille Corot, Young Woman Weaving a Wreath of Flowers, 1866-70

Yukari Nakano
2008-2009 Long Program

Miki Ando
2008-2009 Long Program






 中野選手と安東選手の2008-2009シーズンのフリースケーティングは共にバレエの「ジゼル」。
 ヨーロッパに伝わる妖精伝説を基にしたクラシック・バレエの名作中の名作です。

 『ジゼル』は全2幕で、第一幕が昼間の明るい村(生の世界)、第2幕の夜の妖精の世界(死の世界)となっています。
 ライン川の谷あいの村に住むジゼルは、心臓が弱いけれど踊りは大好きな、純粋な村娘でした。踊ってばかりの彼女の体を心配した母親は妖精ウィリの話を聞かせます。
“結婚前に死んだ娘は、ウィリという妖精になって若い男を死ぬまで躍らせる”という伝説を。
 ジゼルにはロイスという心から愛する恋人がいました。けれど彼女は知りませんでしたが彼は実はアルブレヒトという名の貴族で、ジゼルには身分を隠していたのです。
 ある日、ジゼルの村に貴族が狩の途中に立ち寄ります。その中にはアルブレヒトの婚約者のバチルダとその父の侯爵がいました。
 村人たちの前でアルブレヒトの正体が明かされ、婚約者バチルドの手にキスするアルブレヒトを見たジゼルは、裏切られていたことを知り、錯乱し、そのまま息絶えてしまいます。

 森の奥の墓地に埋葬されたジゼル。彼女は伝説の通り妖精ウィリとなり、女王ミルタの率いるシリの群れに加わります。
 そんな時、ジゼルを失った悲しみと悔恨にくれるアルブレヒトが墓を訪れます。ウィリたちは彼に死の踊りを躍らようとしますが、死んでもなを彼を愛するジゼルはひたすらミルタに許しを乞います。ジゼルとアルブレヒトは踊り続け、アルブレヒトは死の間際まで追い詰められますが、その時夜が明け、ウィリたちは墓へと戻っていきます。
 ジゼルはアルブレヒトに別れを告げ、百合の花を手渡すと消えていくのでした。

 中野選手、安藤選手共に、1幕の可憐な村娘の衣装で(安藤選手は2幕の妖精も入っている?)、中野選手は可憐に、安藤選手は儚げに、それぞれのジゼルを演じていましたが、安藤選手はグランプリシリーズ後、FSをサン=サーンスのオルガン交響曲に変更しました。