音楽:成田為三 「浜辺の歌」
Tamezo Narita, Hamabe-no-Uta (Song of the Seashore).
絵画:Carlos Schwabe, Madonna of the Lilies, 1898.
Fumie Suguri
2003-2004 Exhibiton.
村主章枝選手の2003-2004シーズンのエキシビションは、成田為三作曲の「浜辺の歌」でした。
2003-2004シーズン終了後の2004年4月から、村主さんはアメリカのアイスショーのツアー、Champions on Ice(COI)に参加しました。アメリカの18都市を、数ヶ月かけてまわる大掛かりなツアーで、各競技で頂点を極めたスケーターだけが参加ができる、レベルの高いアイスショーです。
この時の参加者は27人。
ミシェル・クワン、サーシャ・コーエン、ティモシー・ゲーブル、ジョニー・ウィアーなどアメリカ人の他に、エフゲニー・プルシェンコ、エルビス・ストイコ、フィリップ・キャンデローロ、イリーナ・スルツカヤ、トトミアニナ&マリニンなど、外国の選手も出場していました。
この時の村主さんを、NHK BSハイビジョンが、ドキュメンタリー『輝く女 村主章枝』として、放送しました。
このCOIツアーで、村主さんがすべったのが、「浜辺の歌」です。
番組の中で、村主さんが語った「浜辺の歌」のエキシビションは、昔の恋人を思い出すというイメージだそうです。
村主さんが使われていたのは、「あした浜辺を さまよえば 昔のことぞ しのばるる」の、林
古渓の詩ではなく、英語バージョンでした。水色のギリシャ風の衣装の村主さんが、この曲でバレエ的な優雅な演技をすると、童謡というよりも、「アメイジング・グレイス」のような賛美歌風に聞こえました。
またこのドキュメンタリー番組『輝く女』は、2時間もある内容の濃いもので、ツアーに参加した他のスケーター達の素顔が垣間見られて、フィギュアスケート・ファンとしては、とても嬉しいものでした。
村主さんは、ニコル・ボベックやティモシー・ゲーブルと一緒に朝食を取ったり、サーシャ・コーエンのあばら骨を触らせてもらったり(サーシャのあばら骨は動くそうです)、車輪付き椅子に乗った村主さんをエルビス・ストイコがふざけて押したり、見ていてとても楽しかったです。
ダーツで遊ぶプルシェンコも、ファンとしては素顔が見られて嬉しかったです。
また全米選手権で優勝」したばかりで、日本ではブレイク前のジョニー・ウィアーが、村主さんに同行した日本のスタッフに日本語を教えてもらって、カメラに天使の微笑みで「ワタシハ ニホンジンデス」と言ったのも、たいへんうけました。
番組の最後のほうで、村主さんは日本の扇を、二本取りよせて、「浜辺の歌」の小道具にして、よりいっそう美しくなった演技を見せていました。
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Alphonse Osbert, Evening in Antiquity, 1908.
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